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14.(ENIGMA type-P)リプレイサー設定

ENIGMA type-Pには、ECUによるO2フィードバック補正をキャンセルする機能があります。
O2センサー付きモデルでは、O2センサーによるフィードバック補正エリア内でサブコンを使って燃料を増量/減量しても、フィードバック補正によりある程度元に戻されてしまいます。
O2リプレイサー機能は、インジェクション車のO2フィードバック(クローズドループ)機能を停止し、ECUによるO2センサー信号での燃料補正をカットします。 これにより全エンジン回転域/全アクセル開度域での燃料増量/減量に対し、O2センサー補正が入らなくなり、指定した増量/減量が補正されてしまう事なく数値通りの燃量セッティングがエンジン回転全域で行えます。

※ O2センサーのフィードバック機能/領域に関しましてはメーカーや車種別に違います。

O2センサー付きモデルではO2センサーを取り外すと、O2信号がECUに入力されなくなる為、アイドリングがメーカーの設定値より上昇し不安定になったり吹き下がりが鈍くなったりFI警告灯が点滅したりと色々な症状がでます。O2リプレイサーを装着するとアイドリングをメーカー設定値近辺に自動で補正します。
(メーカーや車種ごとに設定アイドリング回転数は違います。)
また「アイドリング微調整機能」を使用することにより、バイクの個体差によるアイドリングの高め/低めを任意に微調整出来ます。(ENIGMA LC や Z125用 Enigma type-Pには、この機能はありません。MONKEY-FI用 Enigma Type-Pの場合、バイクのアイドリングに同期させる調整になります。アイドリングが安定しないときに、設定を微調整してください。)

擬似信号発振器で「擬似O2センサー信号」を発生してる物と違い、O2リプレイサー機能はエンジン回転数を監視し、アイドリング時などは独自のプログラムにより、毎回計算された擬似信号を発生するため、発振器信号と違い、よりリアルに毎回同じパターンの信号が出ません。

改造されていないノーマル車に取り付けた場合でも、O2センサーからのフィードバック機能を停止しアクセル低開度域のO2センサーフィードバック信号を補正し、パワー/トルク感を向上させます。

ボアアップ車やBIGインジェクター装着車の場合でも、O2リプレイサー機能はアイドリング回転近辺では、独自の機構によりアイドリングを自動で安定させようとします。 しかし、燃料調整マップにより変更された「空燃比」が故意に濃すぎる/または薄すぎる場合は、アイドリング安定化プログラムは働きません。アイドリング回転でもECUのO2補正はカットされますので燃料調整マップで増量/減量した燃料なりの結果になります。(アイドリングが不安定になります。)この場合、アイドリング時の空燃比が常識の範囲内(たとえばノーマル車両等と同じ位の空燃比の意味) に再度セッティングし直せばアイドリングは安定してきます。

注:インジェクターの大きさや燃圧、その他パーツにより、結果は違います。 改造車の場合はケースバイケースとなる場合があり、どんな改造車でもアイドリングを安定させるというものではありません。 あくまでも調整の一助とお考え下さい。

O2リプレイサーは、基本的には純正のO2センサーを取り外しません。
CYGNUS-Xの台湾7期で「O2センサーそのものを取り外したい」場合は、専用の別売のブラインドカプラーセットを使用してO2センサーをカプラーから取り外し、ブラインドカプラーで蓋をして下さい。 他車種用のブラインドカプラーは、販売しておりません。 ブラインドカプラーは、取り外したカプラーの車体側に埃や雨水が入らないように蓋をして、不慮のトラブルを未然に防ぎます。また、ヒーター部が取り外された事をECUに感知されないようにします。マフラーの穴には専用ボルト(アルミパッキン付き)を使い、センサー穴を塞ぎます。

CYGNUS-X
O2センサーフィードバック機能(クローズドループ)について

CYGNUS-XのO2フィードバック範囲は全域ではなく、エンジン回転とアクセル開度により補正がある領域と初めから補正が入らない領域があります。
CYGNUS-Xの具体的な補正範囲の回転数/アクセル開度は下記の通りです。

アイドリング~3000回転まではアクセル開度20%まで(それ以上は補正無し)
3000~4000回転はアクセル開度30%まで(それ以上は補正無し)
4000~5000回転はアクセル開度50%まで(それ以上は補正無し)
5000~7000回転まではアクセル開度65%まで(それ以上は補正無し)
7000回転以上は無し

上記がCYGNUS-Xのクローズドループの範囲です。
この範囲内では、ENIGMA等で増量/減量しても、O2フィードバックにより、ある程度補正され元に戻されてしまいます。 上記以外の領域は最初からフィードバック補正がありません。
つまり、最初からENIGMA等で増量/減量しても補正はかからないエリアです。

O2リプレイサーは補正される領域で増量/減量しても「補正」されて元に戻されてしまわないようにしますが、 基本的には補正機能を停止させてるので、噴射量は今までフィードバックの影響を受けていた数値になります。 この為、もともと補正の無かった領域との燃調MAP境界線に空燃比の変化のような感じが出る事があります。 こうした現象は空燃比計測機の故障などではなく、こう言う仕組みと言う事を考えてセッティングを進めて下さい。

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